東京でホワイトニング ホワイトニングをしない方がいいのはどんな人?
ホワイトニングが出来ない人
無カタラーゼ症
無カタラーゼ症の方はホワイトニングの絶対禁忌(その医療行為によって患者さんが死、もしくは不可逆的な障害を招くもの)です。歯科のホワイトニングで歯を白くする成分として使用する過酸化水素(尿素)は、一般の方にとっては害の少ない薬剤です。多少飲んでしまっても、体に影響が出ることはありません。
しかし、無カタラーゼ症というのは、 過酸化水素を分解するための酵素「カタラーゼ」が無い病気です。無カタラーゼ症の人がホワイトニング剤を使用すると、口腔内が腫れたり、口腔壊死を起こす危険性があります。無カタラーゼ症の調べ方は、少量のオキシドールを傷口に塗った際、白い泡が立たない場合は無カタラーゼ症の疑いがあります。
妊婦・授乳中の方
妊婦や授乳中の方は、胎児や乳児にホワイトニング剤が母体や母乳を通じて赤ちゃんに悪い影響を与える可能性があるため、ホワイトニングは相対的禁忌(通常医療行為では行わないこと)とされています。ホワイトニング剤によって胎児や乳児に影響が出たという明確な事例や文献があるわけではありませんが、可能性がある以上、リスクは回避すべきものだからです。
また、妊娠中はホルモンバランスが乱れ、口腔内の環境が悪くなりやすい状態です。産後も小さな子どもがいると妊娠中に患った虫歯や歯周病の治療が難しいため、治療ができていない場合も多くあります。
そのため、ホワイトニングは出産後・授乳が終わってから検討しましょう。
ホワイトニングに注意が必要な人
エナメル質形成不全症・ホワイトスポット
歯に白い斑点ができることをホワイトスポットと言います。ホワイトスポットにはいくつかの原因があり、歯のエナメル質からリンやカルシウムが溶け出す「脱灰」や、歯の一番外側の組織であるエナメル質が上手に出来ない「エナメル質形成不全症」という病気の場合等があります。
ホワイトスポットがある人がホワイトニングをすると、ホワイトスポットの周りの歯質が白くなり、目立たなくなる場合もありますが、逆にホワイトスポットの部分のみが不自然な白さに見えてしまう場合もあります。ホワイトスポットがある場合は、ホワイトスポットの治療をすることを前提でホワイトニングをすることをお勧めします。ホワイトニングをしてからホワイトスポットの治療をすることで、ホワイトスポットを治療した後の色を白い歯に合わせることができます。
テトラサイクリン歯の人
テトラサイクリン歯というのは、テトラサイクリン系抗生物質により変色した歯のことを言います。テトラサイクリン歯は抗生物質の成分が象牙質に沈着し、歯が褐色から灰色に変色します。重度になると変色が縞模様に現れれます。
テトラサイクリン歯の方はホワイトニングで効果が全く得られないわけではありません。ホワイトニングによって、白味は強くなりますが、茶色味や灰色味が全くなくなることはありません。縞模様も薄くなる可能性はありますが、消すのは難しいです。
ですから、一般的なホワイトニングと同様の効果は期待できませんが、それを同意の上で「今より白く」「変色を薄く」するという主訴で行うのであれば、試してみる価値はあると言えます。
無髄歯・失活歯による変色歯がある人
歯の一番内側には歯髄という神経や血管が通う管があります。この歯髄を虫歯などが原因で除去する処置をした歯を「無髄歯」、神経が死んでしまった歯や無髄歯を含めて「失活歯」と言います。通常、神経を取った無髄歯は、被せ物になることが多いですが、前歯の場合などは歯冠を残したまま抜髄(神経を取る処置)をすることもあります。しかし、歯は神経を失うと、文字通り「失活」するため、歯に血液が循環しなくなり、歯髄が収まっていた根幹に残った血液やコラーゲンが変色することで象牙質が濃くなり、色が黒っぽくなります。
この失活歯の変色は通常のホワイトニングをしても白くはなりません。失活による変色歯を白くする場合は、ウォーキングブリーチ(インターナルブリーチ)という、歯の内側から行うホワイトニングか、補綴(被せ物やラミネートベニア)が必要です。
治療歯がある人・多い人
歯医者のホワイトニングは補綴物(詰め物や被せ物)を白くすることは出来ません。また、レジン(樹脂)を使った白い詰め物もホワイトニングをしても白くならないため、かえって色が目立ってしまいます。そのため、セラミックの歯を入れる場合、歯を白くしたいのであれば先にホワイトニングをして、白くなった歯に合わせてセラミックの歯を作ります。
レジンによる修復箇所がある場合は、ホワイトニングを行った後にダイレクトボンディング(審美的な樹脂治療)で詰め物をやり直すことで、白くなった色味に合わせることが可能です。
光線アレルギーの方
光線アレルギーのある人は、オフィスホワイトニングは避けた方が良いとされています。オフィスホワイトニングでは歯を早く白くするために、薬剤を塗布した歯にブルーライトを照射します。このブルーライトは光線アレルギーの方に影響が出る紫外線とは異なりますが、万が一のことを考えるとやめておいた方が良いでしょう。
ホームホワイトニングであれば光を使いませんので施術が可能です。
嘔吐反射・呼吸器疾患のある方
嘔吐反射や呼吸器疾患がある場合、ホワイトニングによってその症状が誘発される場合があります。嘔吐反射がある場合は、マウスピースが難しい場合もあり、ホームホワイトニングは向いていません。歯面清掃や開咬器(口を開けるための道具)が耐えられるなら、オフィスホワイトニングは可能です。
呼吸器疾患のある方は、薬液からでる微量のガスにより、喘息などの発作を引き起こす可能性があります。ホワイトニングをされる場合は、医科の先生に相談の上施術されることをお勧めします。
安心してホワイトニングをするために
ホワイトニングは歯科医院で
歯科でのホワイトニングは、必ず歯科医師がお口の中をチェックし、歯科衛生士がお口の状態を管理しながら行います。歯科医師はホワイトニング剤による歯への影響のみならず、身体への影響や禁忌についての知識も持っていますので、患者さんごとにホワイトニングが可能か、有効かなどを判断することができます。
また、万が一歯がしみた場合の対応や、ホワイトニング前の口腔内のケアも行います。
市販のものやホワイトニングサロンと違い、歯を白くする効果が認められている「過酸化水素(尿素)」を使ったホワイトニングを行えるのは、歯科医がいる歯医者さんに限られます。歯を安全に白くしたいのでしたら、歯医者さんのホワイトニングをご検討下さい。
歯の色のお悩みは歯科医に相談
歯を白くしたかったのに、「思ったようにに白くならなかった」「見栄えが悪くなった」と後悔しないためには、「歯を白くする」メカニズムを理解する必要があります。もし、歯が白くならずに後悔したのであれば、あなたが使ったホワイトニング剤は、歯の汚れは取ることができても、歯の色を変えることは出来ないものだったのかもしれません。
歯医者のホワイトニングは、歯の表面や組織を漂白し、白くすることができるホワイトニングです。また、ホワイトニングで白くならない歯に対しても対処法を持ち合わせています。歯の色のことでお悩みでしたら、歯医者に相談しましょう。
ホワイトニングとは
着色汚れなどによる「歯の黄ばみを白くする」ことを「ホワイトニング」といいます。
ホワイトニングの方法には、以下の3つがあります。
- 過酸化尿素や過酸化水素といった成分を使用し、着色汚れを分解して白くする方法
- セラミックを被せて白くする方法
- ステインを除去する方法
中でも、ホワイトニング成分である過酸化水素は、体内に長時間かつ高濃度で残ると組織を壊死させる恐れがあるため、患っている病気や体質によっては施術ができない場合もあります。
以下で、詳しくホワイトニングを受けられない方または要相談の方をご紹介します。
外的要因とは
外的要因は、食べ物や飲み物や歯科治療など体外からの影響のことを指します。
具体的な外的要因は下記と通りです。
ホワイトニングを受けられないまたは要相談の方
ホワイトニングを受けられない方に該当するのは以下の通りです。
- 妊娠中および授乳中の方
- 無カタラーゼ症の方
また、相談が必要な方は以下となります。
- 歯の神経の治療済みの方
- 詰め物をしている方
これらに該当する方は効果が実感しにくいだけでなく、歯や体の健康リスクも伴います。
妊娠中および授乳中の方
妊娠中および授乳中の方は、ホワイトニングをおすすめできません。
ホワイトニングに使用する薬剤や施術が、妊婦や胎児に与える影響が明確になっていないためです。
安全性を保障できないため、ホワイトニングは推奨できません。
無カタラーゼ症の方
無カタラーゼ症の方は、ホワイトニングの施術を受けることができません。
カタラーゼとは、過酸化水素を酸素と水に分解し無毒化する酵素で、タンパク質の一種です。
無カタラーゼ症の方は、ホワイトニングに使用される薬剤である過酸化水素を分解できず、壊死のリスクが上がるため、安全性を保障できません。
無症状なため、普段の生活で気づくことは難しいですが、歯周ポケットにオキシドールを1滴たらして泡立たなければ、無カタラーゼ症の疑いがあると判断できます。
詰め物・被せ物をしている方
詰め物や、被せ物をしている方は相談が必要です。
詰め物や被せ物は、ホワイトニングの効果を得られないため、ホワイトニングの施術後、本来の歯との色の差ができてしまいます。
詰め物に色を合わせるかどうか、歯科医師と相談しましょう。
歯の神経が機能しなくなっている方
歯の神経が死んでしまっている方は、要相談です。
神経が生きている歯と死んでいる歯とでは、ホワイトニング施術の方法が異なります。
十分な効果を得るためにも、前もって歯科医師と施術の方針を相談しましょう。
ホワイトニングの注意点
どのホワイトニング方法であっても、共通の注意点があります。
ホワイトニング後は、できるだけステインが付きやすい「赤ワイン」や「カレー」などの飲食物を避けなければなりません。
それらを摂取することで、歯の色が元の色に戻りやすくなってしまうためです。
もし摂取した場合は、できるだけ早く、歯磨きや洗口液でステインを洗い流しましょう。
ステイン対策のアイテムを使うとより効果的です。
ホワイトニングの種類
ホワイトニングの種類は以下の3つです。
- ホームホワイトニング
- オフィスホワイトニング
- デュアルホワイトニング
それぞれの特長とメリット・デメリットをご紹介します。
ホームホワイトニングの特長
ホームホワイトニングは、名称のとおり家で行うホワイトニング方法です。
マウスピースと専用の薬剤を用意し、光をあてて自然な白い歯を目指します。
ホームホワイトニングは、2週間程度で効果が出はじめますが、歯の白さのレベルにより完了するまでには2か月ほどかかります。
また、期間をかけてゆっくりホワイトニングを行うため、一度白くなると長期間その状態を保ちやすい傾向にあります。
ホームホワイトニングのメリット
- 自然な歯の白さを手に入れられる
- 好きなタイミングでホワイトニングができる
- 効果が長期間持続する
ホームホワイトニングのデメリット
- 効果を得るまでに期間がかかる
- ホワイトニング後はステインが付きやすいため食事制限が必要
ホームホワイトニングは以下の方におすすめです。
- 効忙しくホワイトニング治療の時間がとれない方
- 自然な白い歯を目指したい方
- 長期間効果を持続させたい方
オフィスホワイトニングの特長
歯科医院に通うホワイトニング方法です。
過酸化水素や過酸化尿素を使用してホワイトニング施術を行います。
高濃度な薬剤を使用するため、1回の施術で白さを実感する方が多い傾向にあります。
元の歯の色や目指す白さのレベルにより変動しますが、一般的には3〜6回程度通院します。
また、短期間で効果を得られる分、白さの持続期間も短期間となる恐れがあります。
オフィスホワイトニングのメリット
- 短期間でホワイトニング効果を得られる
- 歯科医師や歯科衛生士に施術してもらうため色ムラの心配がほとんどない
- 施術中にしみるなどの症状が出た場合、適切な処置が受けられる
オフィスホワイトニングのデメリット
- 効果持続時間が短い場合がある
- ホワイトニング剤の濃度が高いため歯がしみる場合がある
- ホワイトニング後はステインが付きやすいため食事制限が必要
オフィスホワイトニングは以下の方におすすめです。
- 短期間でホワイトニング効果を得たい方
- 色ムラが心配でご自身でのホワイトニングは避けたい方
デュアルホワイトニングの特長
ホームホワイトニングと、オフィスホワイトニングを併用するホワイトニング方法です。
短期間で効果を得られるオフィスホワイトニングのメリットと、長期間効果を持続させられるホームホワイトニング、両方のメリットを兼ね備えています。
一般的には、「オフィスホワイトニング1回→ホームホワイトニング2週間」の流れを2セット行います。
デュアルホワイトニングのメリット
- 原則通院は2回のみで済む
- 短期間で効果が得られる
- 効果の持続期間が長い
デュアルホワイトニングのデメリット
- ホワイトニング方法が2種類のため費用がかさむ
- 薬剤の使用頻度が高いため知覚過敏になりやすい
このように、デュアルホワイトニングは、短期間で効果を得て長く継続させたい方におすすめの方法となっています。
ホワイトニングにかかる期間・費用
ホワイトニングにかかる期間と費用の比較表を作成しましたので、ぜひ参考にしてください。
※口腔内の状態により個人差があります。
種類 | 期間 | 費用 |
ホームホワイトニング | 約2週間 | 一般歯科(約2万円~約4万円)ホワイトニング専門歯科(約1万5千円~約3万5万円) |
オフィスホワイトニング | 約3週間 | 一般歯科(約3万円~約5万円)ホワイトニング専門歯科(約5千円~約3万円) |
まとめ:ホワイトニングをご検討中の方は歯科医院へご相談ください
今回は、歯のホワイトニングの種類や方法、費用などについてご紹介しました。
解説してきた内容を以下にまとめます。
- ホワイトニングとは着色汚れなどによる「歯の黄ばみを白くする」こと
- 患っている病気や妊娠などにより、施術を受けられるか相談が必要
- ホワイトニングにはホーム、オフィス、デュアルの3種類がある
- 費用や施術期間は個人差がある
ホワイトニング施術は口腔内の環境により異なるため、安心してホワイトニングを行うには歯科医師と相談のうえ進めることが大切です。